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3番目

ヒバツナSS

雲雀さんがツナくんを意識し始めたお話が書きたかったので
でもこれはヒバ+ツナというかんじ;
同人要素が感じられないよ・・・




世の中の人間は2種類に区分される


強者と弱者


彼はあきらかに後者だった






3種目の人種





並盛中学校の応接室にて生徒には似つかわしくない
黒皮のソファに向かい合って座る2人の男子生徒
ひとりは足を組み顎に掌を宛がいながら切れ長の漆黒の瞳を伏せ
もうひとりはその少年の顔をときおり伺いながら
遅刻届に筆を走らせている
と、言っても琥珀色の眼をした少年は目前の少年を恐れているのか
早く書類を書き終えたい一身で焦りからか
少し震えていしまっているようでなかなか書き終えられないで困っている


『なんでだって雲雀さんの前でわざわざ遅刻届書かなくちゃならないんだよ!』




今日はツナが寝坊したせいもあり友達の山本と獄寺(獄寺の場合は
舎弟というやつかもしれない)には先に学校に行ってもらっていた
案の定、予鈴が鳴り終わってから姿を現した綱吉は仕方なく職員室へ
教室の入室許可証をもらいに行こうとため息交じりに校門をくぐったところを
雲雀に捕まってしまった雲雀とは以前、一悶着あったあとを有耶無耶にしていたため
避け続けていただけになんで今日に限って
遅刻してしまったんだろうと運命を呪わずにはいらない


獄寺はきっと今の状況を聞いたら殺気混じりで応接室に乗り込みそうだし
山本は笑いながらも獄寺を止めたりはしないだろう
何より友達というものを今まで持たなかった綱吉にとっては
そういう風な態度をとってくれることもうれしいには違いないのだ
それだけ、自分は大切に思われていると言うことなのだから


それでも決して争いごとはよいことではないので
とにかく、今はこの状況をどうにかして早く教室に行かないと
二人とも心配してこの想像を現実に変えかねない

と考えていることが顔に出やすい綱吉の百面相を雲雀は無関心にみていた





彼はなぜ今日の朝、遅刻者である沢田綱吉を呼び止めて
わざわざ応接室で遅刻届を書かせているのかは自分でもよくわからなかった
ただ、校門でたまたまあったところを無意識に声をかけてしまったのだ
呼び止めただけで別に話があるわけではなく会話が続くわけもないので
とりあえず遅刻者の措置をとるためにと届けを書かせている訳だが
普通は職員室で済む話であるのに、応接室に連れて来てしまった
まったく自分でも自分の行動がわからないこんなことは初めてだった



元来、雲雀は弱い立場の人間は嫌いなほうだった
弱いゆえに他人と助け合おうとして
やたら大勢の意見に同調し押し付けあう
それはあまり美しいとは言えないものでむしろ不快、
雲雀の言う『群れる』とはそういう意味あいからだ
今、目の前にいる少年はどこからどうみても
そういう種類の人間にみえる


ふと、窓の外に視線を移すとこの少年といつもつるんでいる
二人が教室から出て校門のほうに向かいながら言い争っている
どうやらまだこの少年が来ていないと思っているらしい



「お、終わりました!」

応接室にボーイソプラノの少し高めの声が響いた
こちらに伺うような視線を向けている
届けに目を向けると急いでいるのが少し文字が粗雑だ
はじめて雲雀のほうから話しかけてみた


「そんなに早く教室に行きたいの?」

「・・・あの。」


自分の言葉が的を得ていたらしい、少年の頬は少し朱色に染まった
なぜかはよくわからなかったけど、あえて言うならそう・・
"おもしろくない"と思う感情ににている気持ちになった


「それはあの二人のせいかい?」


校門でいまだに言い争っている(主に一方の少年がどなっているだけだが)
ふたりを顎で指してみると目の前の色素の薄い少年は
今、気づいたらしく「え!?うそ、なんで」と
心配そうに見た後、



少し、ほんのわずかだがうれしそうに微笑んだのだ

そしてそれを見て自分はたしかにその顔を



"綺麗"だと

思ってしまったのだ


雲雀は今しがた起こった自分の感情に目を見開いて血が上った
認めたくなかったのだ、わずかでも弱者を"綺麗"だなんて


「っ!―――くだないね」

「・・え?」

綱吉が雲雀の言葉に外に向けていた視線を移す
琥珀色の瞳と眼が合うと表現しずらい焦燥を感じた


「くだらないよ、なれあって自己を保っているなんて・・群れる人間は大嫌いだ」



その言葉に綱吉は眼を見開いた後、顔を伏せた
拳を握り締めてわずかに震えていた


「貴方の言う"くだらない"ものは・・・僕が、欲しくて欲しくて、仕方のなかったものなんです」

どうやら彼は怒っているらしい
弱者が怒ったところでたかがしれていて、
いつも自分は聞き流しているはずなのに
なぜか彼の言葉は心に直に響く感じが妙だった



自分は今まで世の中には2種類の人間しかいないと思っていた


「しっ失礼しました――!!!」

ひ~!とか言いながら廊下を走って彼は部屋を出て行ってしまった
窓に背中からもたれ掛かりながらまぶたを伏せる




『くだらなくなんかない!!』


そう言って顔を上げて真っ直ぐ僕を見た眼は
弱者が向けるような怯えきった控えめなまなざしなんかじゃなくて
自分はまた彼を綺麗だと思った




「沢田綱吉・・・・か」


雲雀がおもしろそうに笑んだ背中でツナの二人を呼ぶ声がした




どうやらこの2種類にあてはまらない人間もいるらしい

END
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