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【先祖帰り】

普日小話
・小説ってほどでもない気が




 


どの国も自分の利権ばかり、
私のような老体には皆ひどく幼く見えた。
まるで愛ばかり欲しがる子供のよう

そんな中で貴方だけ、貴方だけ私に与えようとした、

貴方が与えて下さったそれを、愛だなんて言うのは自惚れ甚だしいと思うし、
そんな立場でもないという自身なら胸を張れるほどある。
彼だって私の年からすれば子供だというのに、
でも彼の行動は、私の堅く閉ざされた殻に皹を入れ、
叩き割ってしまうのには十分な力があった

自国で開催した会議に珍しくも出席していた彼に、会議後話しかける


「どうぞ家でゆっくりお茶などしませんか?」

「饅頭は出るんだろうなあ?」


相変わらずによによとこんな爺の顔の何が面白いのか意地の悪い顔をして、
不遜な態度でこちらを見てくる紅い瞳に、自然と体温が上がる


「ええ、勿論」


いらして下さるのならいくらでも、という言葉は呑み込んだ。
呑み込んだはいいが、そのせいか喉が熱い


「よし行く」

 

と打って変わって子供のように無邪気に笑んだ顔を前に、頭が真っ白になる


どうして察して下さらないんですか

貴方のその顔、本当に心臓に悪くて、他に何にも考えられなくなっているんですよ、
緊張で馬鹿みたいに手が震えるんですよ、


お茶、だなんて、

どうして気づいて下さらないんですか


(これでも必死に口説いているのに)

 

 

乗ったタクシーが家に着くと、
勝手知ったるようにどかどかと上がりこんで行く彼は、
私の心にもどかどかと足跡をつけていく、

キッ、とその背に向かって八つ当たりのような視線を向けたが、
これから出されるであろうお茶と茶菓子に思いを巡らせているのか
その銀髪頭がこちらを伺うことはない


彼が他の人と同じように欲しがるだけの方ならば、
こんな想いを抱えずにすんだのに、
すでに自分は、情けないことに、彼がくれた物以上を彼に欲していて、
これでは他の国と変わらないではないか

さて、この後どうやって、この男にそれをわからせてやろうか、
と策を巡らせながら、菊は失敗のできない賭けをするため、
いつかと同じように彼の背中を追った

 

私を子供にしたのは貴方
(欲しくて欲しくて、貴方の愛が、)

 


end
 

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