PRIDE

どこにも[ヒルセナ]

案外普通のマンションの一室に彼は住んでいて
いつも部活の休みの日は大抵ヒル魔さんの家で過ごす

もうこれは習慣のようなものだ

『習慣』とは

一定にパターン化された習性・・

ヒル魔さんはいつも僕をひざの上に乗せて
後ろから抱きしめるような体制をとることが多い

「ヒル魔さん」

ぎゅ・・

「ヒル魔さん」

「・・・・」

「逃げませんから」

僕は逃げませんよっと言って
向き直って真っ直ぐにヒル魔さんの目を見た

習慣という鎖で、

自分という檻で

逃げないようにと僕を拘束する彼

でも僕だって貴方を
不安という餌で繋ぎとめている

果たして怯えているのはどちらなのか

どこにもいかないよ
（いけないんです、よ、）

END

依存愛ヒルセナｖ