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どこへ

100題です。
前書いてたリボツナの話をさかのぼってみました
(いやいや、続きかけよ!!)
つーくん一人称です。柳にしてはめずらしいよ!

まああまり内容にはふれない
もう、なんだか文才のなさに嫌気がさすんで

ではではどうぞ~






ねぇ俺を置いてどこへ行くの?

まだ全然お前の言うような立派なマフィアのボスになれていないのに







リボーンというとんでもない家庭教師が来てからもう10年以上経った、
俺の容姿はほとんどかわらないというのに
来た当時赤ん坊の姿をしていたリボーンは
すっかり背も伸びて(そりゃもう羨ましい限りに)
身体つきも立派な男を感じさせる青年になっていた
(ここまで差をつける神様はひどいと思う) 


ただ性格までは人間なかなか変わらないもので
相変わらずめちゃくちゃで破天荒な毎日を送っている



しかし、ごく最近だがどうも様子がおかしい


あまり俺がダメっぷりを目の前でさらしても
銃を突きつけたり、発砲したり、青筋立てて怒ったりとか

そんなことをしなくなった


「ダメツナが・・・」まではいつものことなのだが
そのあとため息をつき遠くを眺めることが多い

そのときのリボーンの眼はゾクっとするほど
何も考えていない空虚な目で怖いのだ
きっとこういう眼で人を銃殺するんだと直感する

その眼を見る頻度が高くなるたびに胸の内でもやもやして
嫌な予感がしていた



そのときに気付いていればリボーンと俺の間で何かがかわっていただろうか








そしてそれはけっこうすぐに訪れた
いつものように慌ただしい一日が終わって
なんだかきれいな三日月だなぁなんて思って
俺が縁側でくつろいでいるところだった


「え!?イタリアに帰る!!?」



冗談だろうといつもの調子で言いたかったのに

リボーンの無表情はいつもと変わらないのに




眼が・・・もう俺を見てはいなかった



闇色の瞳がいっそう深く淀んでここのなにもかもを
遠くの幻を見ているような眼でみている

そうだ、あのとき感じたもやもやとした不安感はこれだったんだ

俺はそんなリボーンの眼をみて居たくなくて顔を背けて応対した


「ねぇリボーン連れてってくれないのはなんとなく分かってたんだ」


ほんとうのことだ
遠くを眺めはじめたと俺がきづいたときには
すでに俺を連れて行かないことを決めていたんだろう


なんてことだ世界一と言わしめるヒットマン様でも
マフィアのボスへの教育がものにならなかったと、そういうことだろうか?


俺はおまえは他の教師なんかとは違うと思ってたのに

リボーンも俺を見放すのかよ!



悔しさや寂しさやいろんなものが合わさって痛かった


必死に下唇をかんでリボーンに泣きそうなところを悟られないようにする
震えてることだって気付かせてやるもんかと拳を軽く握る


それでも10年以上のつきあいというのはおそろしい

見捨てられたというのに俺はどうしようもない奴で
この身勝手な家庭教師の心配までしてしまうんだ



リボーンはこれからどうするんだよ
イタリアに戻ってヒットマンとして闇の世界に行ってしまうのか?
そんな眼は俺と会ったときしてなかったぞ
人を殺すときだけにしとけよ、死人みたいでいやだ

リボーンのことだ。止めても言ってしまうのだろうけど
このまま行かせてしまってはとても不安で
いや、お前の腕はすごいとわかりきっているから
敵なんかにはやられないと思うけど



その眼がリボーンのみているものが嫌で・・・



なんかリボーン自身を壊してしまいそうなくらいの闇を秘めているように感じるから

おまえが思っていることなんて俺にはわからないから
なんとかしてお前が闇に落ちてしまうのをとどめておきたくて


「もう会えないかもしれないだからね・・」

「自分から死んだりしないでね」


我ながらあきれるほどお人よしだと思う
見捨てようとしている奴に死ぬななんて・・・



でも思わずにはいられない。伝えることはできなかったけれど

それほどにお前を思っているから



お願いだから闇に引き込まれないで

思い出でもいい、俺のことを少しでも心の中に住まわせて

俺はおまえを忘れないと思うよ



「・・・・・」


リボーンは話をしている始終、無言のままだった





きっと俺の隣に積んであった洗濯物に水滴がしみこんだことを知らない
いっそ泣きついて懇願すればどうなっていたんだろう







「行かないで!」と言える勇気も

「連れて行って!」と言える強さも俺にはなかった




いつかあなたは僕の手を離して、何処かへ行ってしまう


それに気付いたときがあまりにも遅かった









お題【いつかあなたは僕の手を離して、何処かへ行ってしまう】
追憶の苑よりお借りしましたv
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